人は自らの判断基準に基づいて行動を決定したり複数選択肢の中から良いものを選択したりする.この判断基準は熟練者のマネをする装置など幅広い応用に活用できる.しかし,判断基準を観測することはできない.観測可能なのは実際の行動や選択された選択肢である.本研究では,この観測可能なデータから判断基準を推定する方法を開発した.この時の最大の問題点はデータから判断基準を一意に決定できないことである.これを解決するために,データの量に応じて判断基準の適切な表現方法を自動的に定める方法,人の行動の揺れ,すなわち毎回最適な行動をとるとは限らないことを活用する方法などを構築し,例題を用いてその有効性を確認した.
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