研究実績の概要 |
本研究で得られた成果の概要は以下の通りである. ・提案アーキテクチャである連想メモリベース演算コアのアーキテクチャを決定した.本プロセッサコアの名称は,連想メモリベース超並列SIMD型演算コア (CAMX)である.ハードウェア記述言語である,Verilog-HDLを用いてCAMXの開発を行った.サイズは柔軟に変更できるが,プロトタイプとして1,024エントリ x 256ビットのCAMサイズが左右に配置された形状とした. ・CAMXを用いて様々なマルチメディアアプリケーションを処理するプログラムを作成するために専用の動作コマンドを26種類作成し,動作シミュレーションにて1,024並列での動作検証を行った.再構成素子であるFPGが搭載された評価ボードを用いて動作コマンドの確認を行い,問題なく実機でも処理が可能なことを確認した.ただしチップ容量の関係で64並列での動作である. ・いくつかのマルチメディアアプリケーションに対して,並列処理効果の検証を行った. > 乗算アルゴリズム: ビットシリアル乗算,検索・加算繰り返し乗算,及びBaugh-Wooley乗算の実装を行った.その結果,データ長が15ビットを境に,検索・加算繰り返し乗算,そしてBaugh-Wooley乗算が高速であることが分かった.> 暗号アルゴリズム: ブロック暗号のAESと軽量暗号のPRESENTを実装した,それぞれ,代表的な組込プロセッサであるARMと比較して最大で約29倍,約3,140倍の処理速度であった.> 機械学習: 自己組織化マップ (SOM)の実装を行った.その結果,超小型コンピュータであるRaspberry Piの1/2以下の速度で同等の処理が可能であることが分かった. ・研究期間内での主な成果は,国内学会6件,国際学会6件,受賞2件,論文誌投稿中1件,展示会6回出展である.
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