研究課題/領域番号 |
19K04463
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
白石 貴行 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (80635194)
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研究分担者 |
徳永 仁夫 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (70435460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 新型回転型モータ開発 / 新型直新型モータ開発 / 速度不連続な軌道追従 / 機械的材料特性からの反発係数 |
研究実績の概要 |
研究の成果について,国内での学会発表が1件である。衝撃力印加型モータは世界に類を見ない新しいタイプのモータである。したがって、モーターの機構設計から全てが新しい試みとなっている。1年目は,機械材料の選定と実験が主になった。反発係数の観点などから,いくつかの実験を経て,チタンが適した材料であることがわかり,これについて学会発表を行った。熱伝導特性と反発係数の比較を行うという,これまでにない比較から関係性を探ったが,これについては相関性が低いことが実験結果からわかった。その後の展開として,反発物同士の固有角振動数の方が,反発係数の低減に影響を与えることがシミュレーションによりわかった。特に,固有振動数の比が1.5倍程度となると,完全弾性衝突であったとしても反発係数が0.88程度まで落ち込むことが明らかとなった。 これまで,衝撃力をモータの回転力に用いることについての前例がなく,非常に重要な知見が得られたと考えている。また,材料の選定に関して,機械材料の観点だけでなくディジタル制御のサンプリング時間の関係から,反発係数的には少し不利となる低いヤング率の金属の方がよいする結果は,面白い結果であると考えている。このように,電気系と機械系の両特性を考慮しながら設計しなくてはならないというのは,図らずも昨今のモーションコントロールの流れと沿うものとなった。 機構設計については,試作機メーカと打合せを行い,ロボット向けのモータを仕様変更して製作できそうだということで,仕様がほぼ決定した。2つのモータを用いるのが特徴である。また,衝撃部に関して材料を変更できるように,取り換え可能な機構とすることが決まった。 衝撃力を印加した際に速度不連続により発生する大きな誤差が低減できることが数値解析ソフトのMatlabによるシミュレーションによって検証できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在,新型モータの装置製作を主に取り組んでいる。本研究では,衝突力を位置決めに用いることが最大の特徴であるが,衝撃力印加部において衝撃力に耐えられるだけの機械設計が必要となる。現在は,装置製作のキーとなる,衝撃力印加部の金属材料の選定を行っているが,まだ実験的にやっている段階で選定指針について明らかにはなっていない。
進捗が思っていたほどではない理由として,新型コロナウイルスの影響で実験に協力してくれている研究室学生が学校に来られなかったことが大きく影響している。また,設計を相談しているモーター試作機メーカとの打ち合わせ回数が少ないことが直接的な影響がある。これについては,学内の工場で技術室職員との協力により学内での試作に切り替えを検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策であるが,機械材料の選定に関しては,これまで同様に共同研究者の徳永仁夫氏と進めていく。新型モータについては機構設計と製作は,学内の技術職員の協力が得られることとなった。また,試作機製作のための部品選定は終わった。研究室学生と,実験を中心にして研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費のほとんどが試作機の製作費であったが,まだ製作が済んでいないことが最も大きな要因である。予定では,3月あたりに試作機ができあがる予定であったが,新型コロナの影響もあり,東京出張での打合せが困難であった。学内での製作に切り替えたため,今年度は予算を計画通り使用できると考えている。
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