研究課題/領域番号 |
19K04463
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
白石 貴行 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (80635194)
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研究分担者 |
徳永 仁夫 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70435460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 速度不連続 / 衝撃力印加 |
研究実績の概要 |
半導体露光装置のような高精度位置決め装置では,複数のモータやアクチュエータを用いた多軸の位置決め機構が採用されている。それぞれの軸で,所望の目標軌道が与えられるが,機構の制約から速度が不連続な軌道となってしまうことが往々にしてある。このような場合,通常の1つの慣性しか持たないサーボモータを用いた追従制御系では,理論的に速度の不連続点で誤差が発生してしまう。 これに対応するために,本研究では,速度不連続な点において衝撃力を印加できる全く新しいコンセプトの新型モータを開発する。2つのモータを組み合わせた構成であり,現在は衝撃力印加時に位置決め誤差が低減できるかについてのシミュレーションを行い効果を確認している。また,これまでに,回転型の試作機を作成している。この試作機の特性を知るために機械的に破壊せずにシステム同定する必要があったため,マルチサイン信号を用いた新しいシステム同定方についても取り組んでいる。これまでランダム信号で取得したシステム同定では,そのランダム性故に取得データの優劣が比較できなかったが,新しい手法により評価できるようになった。 外部発表としては,2021年度に関して,令和3年度社会実装フォーラムにおいて,関連する内容について2件のポスター発表を行った([1]システム同定のためのマルチサイン信号生成と離散フーリエ変換の精度評価指標の提案, [2]振動抑制のための台形速度プロファイル生成)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに,新型モータの試作機作成ができている。また,理論展開として,これまで取り組まれていなかった機械設計に反発係数を考慮するという新しい試みについても提案ができている。さらに,新しいモータを壊さないようなランダム性のあるマルチサイン信号を用いてシステム同定して,これまでできなかった精度の評価指標を作るところまでできている。機械材料の温度特性と反発係数の関係についても実験的に調べるなどの成果がある。しかし,また試作機の制御系設計まで到達していないため,やや遅れていると判断した。これには,Digital Signal Proccessorを含んだ制御システムを見積りをしているところであるが海外での受注生産であることと,現在の人工知能とデジタルツイン実装の需要増と半導体不足の状況から見積り結果と納期の見通しの連絡がない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
現在見積りをおこなっているDigital Signal Proccessorを含んだ制御システムを見積りをしているところであるが海外での受注生産であることと,現在の人工知能とデジタルツイン実装の需要増と半導体不足の状況から見積り結果と納期の見通しの連絡がない状況であるため,国内で調達できるDSPに切り替えるか検討している。今回扱っている衝撃力の現象がマイクロオーダの時間での応答であるため,代替を検討しているDSPのスペックが不足している。さらなる代替品を検討する必要があるため引き続き検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在見積りをおこなっているDigital Signal Proccessorを含んだ制御システムを見積りをしているところであるが海外での受注生産であることと,現在の人工知能とデジタルツイン実装の需要増と半導体不足の状況から見積り結果と納期の見通しの連絡がない状況であるため,国内で調達できるDSPに切り替えるか検討している。今回扱っている衝撃力の現象がマイクロオーダの時間での応答であるため,代替を検討しているDSPのスペックが不足している。さらなる代替品を検討する必要があるため引き続き検討する。DSPシステムが高額であるため,1つの購入で残予算を全て執行する予定である。
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