研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では,めっき浴中のハロゲンイオンを活用し,磁性めっき膜の磁気特性の改善を目的とした。Fe-NiやFe-Co系の軟磁性膜に関しては,成膜時のめっき浴内にハロゲンイオンが存在すると,若干ではあるが軟磁気特性が改善する傾向が得られた。Fe-Pt系の硬磁性膜においては,ハロゲンイオンの存在により保磁力が大きく減少することを見出した。その際,アルカリ金属イオンを共存させておくと,ハロゲンイオンによる保磁力減少効果を抑制できることを見出した。
電子・電気材料工学
軟磁性膜においてはその高性能化により,より高い周波数での駆動が期待できる。これにより,磁気デバイスの小型・省エネ化が期待でき,電気自動車をはじめとする様々なモノの電化への貢献が期待できる。硬磁性膜においては,ハロゲンイオンが磁気特性の劣化要因になることを見出したことから,ハロゲンイオンフリーのめっき浴開発が進むと予想され,特性の優れた硬磁性材料開発をサポートする知見が得られたことなどが,本研究成果の意義である。