研究課題/領域番号 |
19K04474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 九州産業大学 (2021-2022) 熊本大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
末吉 哲郎 九州産業大学, 理工学部, 准教授 (20315287)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高温超伝導体 / 臨界電流密度 / 磁束ピンニング / イオン照射 |
研究成果の概要 |
異方的な結晶構造をもつ高温超伝導体に対して,c軸方向に短尺の線状欠陥を形成できる80 MeVのXeイオンを用いて,c軸に対する照射角度を系統的に変えることで,短尺の線状欠陥から連続的な線状欠陥へと,照射方向によって線状欠陥の連続性が変わることを初めて明らかにした.また,異なるイオンビームを用いて長さの異なる線状欠陥を高温超伝導薄膜のc軸方向に導入し,(1) 磁束クリープに対する線状欠陥の長さの直接的な影響,および (2) 線状欠陥の長さと照射量によって線状欠陥の体積分率を制御することで,臨界電流密度Jcに対する長さの異なる線状欠陥の体積分率の影響を系統的に明らかにした.
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自由記述の分野 |
電子材料工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,異方的な結晶構造をもつ高温超伝導体においては,イオンビームの照射方向によって短尺状から連続な形状へと線状欠陥の連続性が変わることを,同一のイオンビームを用いて照射角度を変えて系統的に断面TEM観察することで,初めて明らかにした.また,イオン種,エネルギーの制御により,短尺状から連続な形状の線状欠陥を系統的に導入した高温超伝導薄膜を用いることで,磁束クリープに対する線状欠陥の短尺化の直接的な影響を明らかにした.以上の結果は,高温超伝導体の高Jc化に対して重イオンビームは,さらに高い自由度でピン止め点を導入できることを示し,その中で線状欠陥の短尺化が鍵であることを示唆している.
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