研究課題/領域番号 |
19K04485
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
亀川 厚則 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (90292242)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 磁石 / サマリウム / 鉄 / 高圧合成 |
研究実績の概要 |
本研究の試料は原料粉末の混合圧粉体に圧力を用いた焼結法により得られる。高圧合成による外的圧力の方法および、結晶構造の内的圧力(結晶内の化学圧力とも呼ばれる)として侵入型原子を用いるために、Li元素置換のほか、水素化熱処理や窒化熱処理などについても検討する。また、Sm-Fe反応界面を増加させるために原料粉末についてより微細なSm/Fe混合体を用いることが有効であると考えられる。 2019年度は、SmFe5相の前駆体作製条件を開始し、順次に高圧合成条件最適化の検討も行った。高圧合成法によるSmFe5相の合成条件を検討し、単相化を目指す。具体的には、①微細なSm/Fe混合組織を得るために、ボールミル条件の最適化。、②高圧合成法の温度、圧力、時間など合成条件を検討を行っている。 計画調書の当初はホットプレス方法の検討も当初は計画したが、湿式ボールミリング法にて、Smが軽元素との化合物を形成するなど予想外の現象が得られたことから、検討条件が増加した為、ホットプレス法はいったん検討を保留した。 離型剤として無水ヘキサンを用いてボールミリングを行い、圧力を変化させて高圧合成した。離型剤としての効果はあったが、今回の高圧合成条件では、以前に発見した未知相や新規相は合成されなかった。これはSmの水素化によって仕込み組成から組成比が変化したことが原因であると考えられる。 一方で、ボールミリング法による前駆体作製で懸念されていた、試料の酸化については、ボールミル条件に酸化しない最適条件があることが分かり、次年度の高圧合成による探索に成果をつなげていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画通り、ボールミル装置を導入し、合成の前駆体としてより微細なSm/Fe混合組織を得た。SEM-EDXによる微細組織観察と出現相の化学組成を同定し、検討を開始した。 ボールミル法について、乾式および湿式法の両方を検討しているが、乾式は収率が著しく低く探索研究に不適であることが考えられるため、湿式法を優先的に検討することで進めている。しかしながら、アルカン系の有機溶剤について、Sm粉末が酸化以外の化学反応を示すことがわかり、これが研究遂行上において、有益か不適用かについて(※)の理由もあり、判断するための時間が要している。 以上のことから、当該年度はボールミル条件の最適化を行っているが検討事項の増加および研究時間の不足により、当初計画より、やや遅れている・(※)COVID-19感染防止対策の為、代表者所属機関において約2ヶ月程度の研究活動の休止となっている。
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今後の研究の推進方策 |
調書作成時の予備実験と、得られる相が異なる結果が得られている、 本年度の成果であるボールミリング条件の最適化についても、前駆体の酸化の抑制には成功したもの、原料のSmが湿式ミリング中に水素化するという知見が得られた。このサマリウム水素化物が、その後の高圧合成による反応にどのような影響を与えるかについて、検討をおこなう必要があると考えている。 前述に示したように、昨年度後半から今年度前半に書けてCOVID-19による、当研究機関の研究活動の停止により遅れが生じているが、一部検討を開始している。 高圧合成によりSm2Fe17、Sm2Fe14B、SmN、SmH2、Fe、SmFe2が合成された。高圧合成後試料の化学分析の結果、どの条件でも3相観察され、組成比からSmNまたはSmH2、Fe、Sm2Fe14Bと判断される。 今後は、ボールミル後の前駆体試料の水素化状態の最適化の得検討を計り、1:5相の出現の検討を開始することから当該年度は開始する予定である。
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