研究課題/領域番号 |
19K04492
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
郭 其新 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 教授 (60243995)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 化合物半導体 / 希土類元素 |
研究実績の概要 |
本研究では、発光波長が環境温度に依存しない高輝度発光デバイスの実現を目指し、希土類元素ドープ酸化物半導体混晶薄膜の成長と希土類元素の励起機構の解明を目的としている。具体的には、パルスレーザー堆積法を用いて希土類元素ドープ(Al,Ga)2O3混晶膜の高品質成長技術を確立し、母体材料のバンドギャップと発光強度の関係を明らかにするとともに、希土類原子の結合状態、局所構造を解明する。また、発光効率を増加させるため、共ドープ技術を用いたGa2O3結晶膜の作製を行い、シンクロトロン光による励起波長が可変なフォトルミネセンス方法を用いて、希土類元素ドープ発光のエネルギー輸送機構を解明し、高効率発光における共ドープ元素の制御方法の確立を目指している。 令和元年度は、パルスレーザー堆積法により、サファイア基板上に希土類ドープ(AlGa)2O3を作製した。具体的には基板温度、ガス圧、希土類元素Erのドープ量を一定とし、異なるAl含有量のターゲットを用いて薄膜を作製し、得られた薄膜のフォトルミネセンス強度の変化を定量的に調べ、発光強度のバンドギャップ依存性を明らかにした。また、酸素プラズマの導入により、薄膜の成長速度及び結晶性が向上できることが分かった。これらの研究成果の一部は、国際論文誌AIP AdvancesとCrystEngCommに公表した。また、2019年に開かれたThe 8th IEEE International Symposium on Next-Generation Electronicsなどの国際会議で招待講演を行い、研究成果を紹介した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、薄膜のフォトルミネセンス強度の変化を定量的に調べ、発光強度のバンドギャップ依存性を明らかにし、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度に得られたデータを活用して、パルスレーザー堆積法により、サファイア基板上にSiとEr共ドープ(Al,Ga)2O3混晶膜を作製する。具体的には希土類元素のドープ量を一定とし、異なるSi含有量のターゲットを用いて結晶膜を作製し、得られた薄膜のフォトルミネセンス強度の変化を調べ、発光強度が最大になるSi濃度を明らかにする。結晶膜の発光スペクトルの励起波長及び温度依存性の測定を行い、得られたサンプルの発光スペクトルの温度依存性を調べ、希土類原子のエネルギー輸送機構を明らかにする。得られた研究成果は、国際会議で発表し、国際的に評価が高い学術論文誌に公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:パルスレーザー堆積実験装置のエキシマレーザー用のガス購入費用を計上したが、ガス交換の必要がなかったため。
使用計画:サンプル作製する際、エキシマレーザー用ガス、高純度酸素ガス、サファイア基板、基板洗浄用薬品、ターゲット及びガスケット等の真空部品が必要とされるため、これらを消耗品として購入する。また、研究打合せ、研究成果発表のため、旅費及び論文投稿料として使用する。
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