研究課題
本研究では、窒化アルミニウム(AlN)/ダイヤモンドpin構造を用いたダイヤモンド電子デバイスの高性能化及び新機能デバイスの開発を試みている。各材料は、有機金属化合物気相成長(MOVPE)法、原子層体積成長(ALD)法、超高真空スパッタ法、マイクロ波プラズマ気相成長(MPCVD)法を用いて成膜している。n型AlNからダイヤモンド側に高濃度の電子を注入すること、また負性電子親和力を有すダイヤモンド水素終端表面より注入した電子を放出させることを目的としている。2019年度において申請者は、n型AlNの低抵抗化、良好なヘテロ接合界面の形成、n型AlNと金属の接触抵抗低減化を検討する必要があることを明らかにした。2020年度では、n型AlNの低抵抗化に取り組んだ。MOVPE法(成長温度>1350℃)を用いてAlNを成長させることで、AlN結晶の品質を向上させ、結晶中の残留不純物濃度をSIMSの検出限界値以下に制御した。この条件下でn型導電特性を得るために必要なSiドーパント濃度(流量)をドーピングさせることに成功した。2021年度では、SiドープAlNにTi/Al/Ti/Au電極を形成し、ポストアニール処理の最適化を実施した。ポストアニール処理を750℃以上で実施することで、オーミック特性に近い電流電圧特性が得られることを明らかにした。また更なる研究展開として、AlxGa1-xNを用いた紫外発光ダイオード(LED)の開発に取り組んだ。MOVPE法とポストアニール処理を用いてサファイア上に高品質AlNを成長させる手法を発見した。また成長温度1350℃の条件にてAlxGa1-xN結晶成長の検討を行い、急峻な界面を有すAlN/AlxGa1-xN多重量子井戸を作製することに成功した。更に同量子井戸から鋭い発光スペクトル(ピーク波長220-250nm)が得られることを見出した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
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