テラヘルツ帯(0.1 ~ 10 THz)の電磁波の需要が高まる中,同周波数帯で高出力かつ連続発振可能な電子管(ジャイロトロン)に注目が集まりつつある.これまで,ジャイロトロンは単一の空胴共振器にて設計,運用されてきた.本研究では,ジャイロトロンに複数の共振器を組み込むことで,より多くの周波数での発振を可能とした. これまでは,周波数の異なる電磁波を得るために,複数のジャイロトロンを用いる必要があったが,本研究の成果により,単一のジャイロトロンで多くの周波数の電磁波を供給できるようになる.これは,同周波数帯の電磁波の応用研究の促進に,大きく寄与するものである.
|