テラヘルツ時間領域分光法では、広帯域分光が可能であるため、品質管理を含めた幅広い分野への応用が期待されている。一方で、周波数分解能は数HGz程度と高くない。星間分子の静止周波数などを測定するためのガス分光では測定周波数数百GHzの領域で少なくとも数百kHz程度の高分解能が求められる。本研究では、広帯域テラヘルツパルスを励起光源として、検出手法を変更することにより、測定帯域は1GHz程度と狭くなるが、分解能数百kHzの分光手法を実現した。また、本手法では分子からの放射を直接測定可能であることから、時間領域分光で難しかったリアルタイム計測が可能となった。
|