研究課題/領域番号 |
19K04512
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
石井 孝明 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40262323)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 超音波 / アクチュエータ / ランジュバン振動子 / 伝送線 |
研究実績の概要 |
1.2019年度は、本研究の目的の一つである、伝送線を利用した超音波マイクロモータの形状の最適化については、ランジュバン振動子と伝送線の間のホーンの形状2種類の検討を行った。 2.本研究の研究実施計画では、先端の回転機構の設計および検討を行うこととしていたが、同様に形状の最適化に必要なホーンの形状の設計および検討を行った。 3.形状の検討について。・段付きホーン(従来形):今までの実験では、加工のしやすい段付きホーンを利用する場合が多かった。入力側直径30mm、出力側直径15mmである。以前、円弧形ホーンを試作したところ悪くない特性が得られそうだったため、今回別形状のホーンを実験することとした。・円錐形ホーン:段を解消するために、まず、円錐形を検討した。入力側直径30mm、出力側直径5mmである。先端に進むにつれて、直線的に直径が減少するタイプである。加工は比較的容易である。・円弧形ホーン:次に段を解消するために、円弧形を検討した。入力側直径30mm、出力側直径5mmである。先端に進むにつれて、指数関数的な傾向で直径が減少するタイプである。加工は難易度が上がる。出力特性を比較すると、円弧形ホーンが最もよく、次いで円錐形ホーンが良かった。 4.先端の回転機構について。・従来の形状を踏襲して上記ホーンの形状の検討を行った。・設置位置による特性の検討を行った。・回転機構の新規提案ができなかった点が今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の一部は進んだが、一部有効な進捗が得られなかった。 研究実績の概要に述べたように、超音波モータの形状に関する検討は行い、一定の成果を得ることができた。しかし、先端の回転機構については、時間的技術的制約もあり、新規提案ができず、やや計画に遅れが生じる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は研究活動の自粛や研究室の学生のマンパワーの関係で、研究計画の遅れが懸念されるが、できるだけ研究遅れを最小限にするよう努力する。 2020年度の研究計画では、2019年度の積み残しである先端の回転機構の検討を始め、回転機構の基礎的な特性の精密測定を行う予定である。丁寧な測定をおこなうことで、今後の構造改良の足掛かりとする。 回転機構の基本設計は、研究開始時からあまり変わっていない。そこで、より小型な物、より高性能なもの、より高耐久なもの、より作りやすいもの、等、特性向上を目的として新しい機構を提案し検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
レーザドップラ振動速度計に中古品を購入したため、次年度に未使用額が生じる結果となった。面外式(縦振動測定用)を購入した。 翌年度分と合わせて、もう一台レーザドップラ振動速度計を購入し、測定可能範囲を拡大する予定である。面内式(横振動測定用)を購入する予定である。
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