研究課題/領域番号 |
19K04515
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
荒井 昌和 宮崎大学, 工学部, 准教授 (90522003)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 結晶成長 / 中赤外 / 半導体レーザ / 受光素子 / シリコンフォトニクス |
研究実績の概要 |
中赤外波長帯は一酸化炭素、二酸化炭素、可燃性の炭化水素系ガス、NOx, SOxなどの環境ガスの吸収線があり、レーザガスセンシングに用いられる。また、光ファイバ通信、空間伝搬通信の波長域拡大としても注目されている。近年、中赤外波長帯の半導体レーザ、受光素子の研究が盛んになっている。今後はさらに多機能、多品種の材料集積が進むと考えられる。 本研究はシリコン基板上に中赤外波長のレーザ、受光素子を集積し、波長を制御するための共振器やガス吸収セルとなる多重反射中空導波路などを集積したシリコンフォトニクス光集積回路の実現を目指している。 今年度はGaAs基板上に基板とは格子定数が異なるものの、貫通転位密度が低く、平坦性が高く、あたかも別の基板とみなせる仮想基板となるInAs層成長時に亜鉛を適量添加することで平坦性が向上する効果の適用範囲を明確にした。また、InAsにSbを導入することで平坦性の向上を確認した。 ドーピングによりp-i-n構造を作製し、電流注入デバイスを作製、電流ー電圧特性を評価した。InAs基板上のInAsのp-i-n構造よりもGaAs基板上のInAsにおいて、低い並列抵抗を確認した。これは貫通転位が少なく、またトンネリングによる漏れ電流が小さいことを示しており、受光素子の効率向上が期待される。また、断続電気信号を注入により発光を確認した。受光素子としては波長3ミクロン帯での分光感度特性を確認した。 今後はシリコン基板上に適用し、中赤外波長光源の実現を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GaAs基板上InAs成長時の平坦性に効果があるZnの添加量の適用範囲を明確にしたことや、中赤外発光、受光素子の電流注入動作を確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はシリコン基板上でのバッファ層の検討および中赤外波長光源と受光素子の実現を目指す。
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