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2019 年度 実施状況報告書

多機能型けい酸塩系表面含浸工法の開発と定量的照査が可能な設計・施工法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K04550
研究機関岐阜大学

研究代表者

小林 孝一  岐阜大学, 工学部, 教授 (20283624)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードけい酸塩系表面含浸材 / 撥水材 / 雨掛かり
研究実績の概要

建設後約50年が経過したRCボックスカルバートに対してけい酸塩系表面含浸材を塗布し,雨掛かりが含浸深さに与える影響を調査した.雨が掛かる水平面では,表面含浸材はコンクリート内部に浸透でき,より深い位置までコンクリートを改質できている可能性があったが,雨が掛かる垂直面では,副生したアルカリ塩が下側に溶出してしまっている可能性があることが分かった.
その結果を踏まえ,けい酸塩系表面含浸材に少量のシラン系撥水材を混合することによって,けい酸塩が十分に反応するまでの数か月間,水の作用による未反応けい酸塩の流出を抑制することを考え,そのコンクリート改質効果を検証した.さらにセルロースナノファイバー(CNF)や珪藻土を添加し,けい酸塩系表面含浸材を塗布したコンクリートの耐久性向上に関する検討を行った.その結果,けい酸塩系表面含浸材に撥水材を3~10%添加することで,水の浸透への抵抗性や塩化物イオン浸透抵抗性が向上した.一方,気体の浸透に対する抵抗性は変化せず,中性化深さに変化は見られなかった.撥水材の添加によってスケーリングに対する抵抗性については低下したが,CNFを併用することで,スケーリング抵抗性は向上させることができた.ひび割れ幅が0.2mmを超えると,一度のけい酸塩の塗布ではひび割れを閉塞させてひび割れ内の透水を止めることは難しかったが,CNFや珪藻土を併用したけい酸塩をひび割れ近傍に繰返し塗布することで,透水量を大幅に低下させることができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

けい酸塩系表面含浸材に対して,軽度の撥水作用を有する混和剤,あるいはCNFを添加し,けい酸塩の初期養生時の保護を図った.その結果,両者ともにけい酸塩の性能を損なう事なく,コンクリートの改質を図る事が可能である事を明らかにする事ができ,本研究成果を持って特許を申請する事ができた.

今後の研究の推進方策

前年度に開発した新規けい酸塩系表面含浸材の曝露試験を実施し,耐候性を評価する事とした.また本年度は海洋長期曝露を実施している供試体に対して,経年変化の測定を実施する予定としてる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] けい酸塩系表面含浸材の含浸深さへの雨掛かりの影響の検証および撥水材の添加による改良品の開発2019

    • 著者名/発表者名
      大野公輔,小林孝一,馬居武志,浅野達夫
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 41 ページ: 1697-1702

    • 査読あり
  • [産業財産権] コンクリートの補修方法およびコンクリートの補修剤2020

    • 発明者名
      小林孝一,馬居武志,浅野達夫
    • 権利者名
      小林孝一,馬居武志,浅野達夫
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      願2020-079123

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公開日: 2021-01-27  

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