厳しい腐食環境にさらされ塩分がたまりやすい箇所では,アルミニウム溶射でも腐食が発生する.膜厚計測の結果から,健全部でも桁位置による差は確認され,損傷部においては健全部より溶射皮膜が薄いことが確認できたが,いずれも目標膜厚160μmを下回る箇所は確認できなかった.また,表面形状はアーク溶射が封孔処理を施した場合においても高い粗度を確認できた.このことより,ガスフレーム溶射に比べてアーク溶射は塩分が付着しやすい表面形状であることが推察される.腐食したアルミニウム溶射鋼材の補修にあたっては,十分な素地調整を実施した後に,アルミニウム-マグネシウム溶射を施すことで防食性能の回復が期待できる.
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