研究課題
本研究は,構造物に設置されたセンサーから信号が得られることを前提に,それに機械学習の方法を適用することで構造物の損傷検知を自動的に行うことを目指すものである.センサーデータとして強震記録を考え,日常的に得られる中小地震による構造物の応答の学習から,大地震時の構造物の損傷を検知しようとする一連の研究について,これまでの成果をまとめた論文「中小地震による構造物応答の機械学習に基づく大地震時の即時損傷検知の検討」が土木学会論文集に採択され,2023年9月26日にJ-STAGE公開となった.この研究の続編として,構造物を1自由度非線形モデルから多自由度非線形モデルに拡張するとともに,適用する地震動の数も増やし,また機械学習に用いるデータ区間の違いに関する検討を行うなど,新たな知見を加え成果をまとめた論文"Fundamental Study on Damage Detection of Civil Structures Modeled as MDOF System Based on Machine Learning"は,論文集(Structural Health Monitoring 2023)に掲載されるとともに,併せて開催されたIWSHM2023(14th International Workshop on Structural Health Monitoring)において口頭発表を行った.会場からは4件の質問があり,すべて回答した.その他,課題として残っていた振動実験についても実施した.2自由度系モデルを考え,損傷のない健全なモデルと損傷を考慮したモデルの両方の自由振動データに機械学習の方法としてオートエンコーダを適用した.結果は「振動実験データに機械学習を適用した構造物の損傷検知の試み」なる題目で土木学会関東支部技術研究発表会に投稿し,2024年3月に発表を行った.
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土木学会論文集
巻: 79 ページ: n/a~n/a
10.2208/jscejj.22-13013
STRUCTURAL HEALTH MONITORING 2023 Designing SHM for Sustainability, Maintainability and Reliability
巻: 1 ページ: 1489-1496