構造物に設置されたセンサーによって構造物の振動応答データが得られることを想定して,そのデータに機械学習の方法として,教師なし学習の1つであるオートエンコーダを適用することで構造物の損傷検知を自動かつ即時に行うことが可能にあった.具体的には,構造物の損傷を剛性低下で模擬し,損傷なしの応答の学習から損傷ありの応答の検知を試みた.さらなる適用例として,強震計が設置されている構造物において,日常的に発生する中小の地震動による応答を学習させておき,その上で,巨大地震発生時の構造物の非線形応答にオートエンコーダを適用することで,その構造物の供用を即時に注すべきか,などの判断基準が得られる可能性を示した.
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