本研究では,地下空間の利用,廃棄物の地層処分や二酸化炭素地下貯留などにおいて,その流体移動経路となりえる亀裂が新たに形成されるかどうかを評価するための手法の開示を行った.流体移動経路の評価は地域全体で行うことはできず,ボーリングコアなど限られた試料から推定せざるを得ない.そのような中,本研究で開発したスクラッチテストはコア試料を用いて連続的に物性値を得ることを可能としている.また,スクラッチテストでは使用する領域が表面のみであることから,その後のコア試料の観察や室内試験への影響も極めて少ない.そのため,まず初めにコア試料を使って連続的な物性評価をするにはスクラッチテストが最適であると考える.
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