近年,高強度豪雨に起因した土石流・泥流による土砂災害が毎年のように発生している.土石流・泥流から市民の生命と財産を守るためには,土石流・泥流の流動特性を把握することが重要である.本研究では,家屋の破壊や細粒土砂の相変化などを考慮した土石流・泥流の数値シミュレーションモデルを開発し,2018年の広島での土石流現象と2021年の熱海市の泥流現象に開発した土石流・泥流の数値シミュレーションモデルを適用し,表層崩壊の発生から宅地までに土石流・泥流が到達する時間,氾濫範囲,宅地内における土石流・泥流の流速と流動深の時空間的な分布から,土石流・泥流危険地域における家屋ごとの住民の避難方法を提案した.
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