| 研究課題/領域番号 |
19K04624
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| 研究機関 | 日本大学 |
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研究代表者 |
高橋 正行 日本大学, 理工学部, 教授 (10318363)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 跳水 / 射流 / 相似則 / エネルギー減勢構造物 / 模型縮尺の効果 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題では，スルースゲート下流側に形成される跳水を対象とし，系統的実験によって跳水の流況および跳水内部の流速や空気混入特性に対する模型の縮尺効果を明らかにするとともに空気混入メカニズムを明らかにすることを目的としている．跳水の流況や跳水内部の流速や空気混入率に対するレイノルズ数の影響を実験的検討によって明らかにし，これまで曖昧に表現されていた「模型の縮尺効果」を明確にすることを目的としている．ゲート下流側の跳水の水理特性を明らかにするためには，ゲート下流側の射流の水理特性に対するレイノルズ数の影響の解明が必要である．
平成３１年度は，ゲート下流側に形成される射流の特性に対する縮流部のフルード数Fr_0[=V_0/(gh_0)^(0.5)，h_0は縮流部の水深，V_0は縮流部の断面平均流速]の影響を検討した．ゲート下流側のレイノルズ数Re[=V_0h_0/ν]を7×10^4の一定値にし，縮流部のフルード数Fr_0を系統的に変化させ，射流の流速・乱れ強さの分布と水面変動を実験的に検討した．その結果，与えられたRe=7×10^4に対して， Fr_0=4～8の範囲では，developing flowでの無次元化された流速分布，乱れ強さ分布，水面変動の特性に対するFr_0の変化の影響は認められなかった．また，縮流部から評価断面までの距離xと乱流境界層厚δが水面に到達する断面までの縮流部からの距離x_cpとの比x/x_cpの値によって，射流水面の流況が異なることを明確にした．すなわち，0<x/x_cp<0.5の場合，水面は滑らかで凹凸と変動が認めれないことが示された．また，0.6<x/x_cp<1.5の場合，x/x_cpの増加に伴い水面の凹凸と変動が大きくなることが示された．さらに，x/x_cp>1.5の場合，水面の凹凸と変動の大きさはほぼ一定で十分に大きくなることが示された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スルースゲート下流側に流出される射流を対象に乱流境界層の発達状態と水深の変化を解析的に求める方法の発展を試み，与えられたレイノルズ数Re=7×10^4に対して，縮流部のフルード数をFr_0=4～8の範囲で変化させ，射流水深と乱流境界層厚が解析的に求められる値と実験的に求められる値とがほぼ一致することを示すことができた．また，Fr_0=4～8の範囲では，developing flowでの無次元化された流速分布，乱れ強さ分布，水面変動の特性に対するFr_0の変化の影響は認められないことを明らかにできた．しかしながら，与えられたフルード数Fr_0に対してレイノルズ数を系統的に変化させた場合の実験的検討については，レーザー流速計を設置できる範囲の制約から流速特性を知ることのできない測定断面が生じている．この問題点を解決するため，令和２年度にレーザー流速計を設置可能な流下方向距離の拡大を目的としてレーザー流速計を設置するためのレールの延長を計画している．なお，レール延長に必要な設計は既に終了している．
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| 今後の研究の推進方策 |
スルースゲート下流側の射流の特性に対するレイノルズ数Reの影響を調べるため，縮流部のフルード数Fr_0を一定にし，レイノルズ数Reの大きさを系統的に変化させ，射流の流速分布・乱れ強さ・水面変動の特性を検討する．このため，令和２年度については，縮流部のフルード数Fr_0=8の場合を対象に，レイノルズ数の大きさをRe=10^4から10^5程度まで系統的に変化させ，ゲート下流側の射流の水理特性を実験的に明らかにすることを予定している．平成３１年度に行った予備的な実験によって，レイノルズ数が小さい場合については，乱流境界層が十分に発達し，射流水面の凹凸と変動の大きさが十分に大きくなるための必要な距離が大きくなる可能性が示唆されている．この予備的実験で得られている知見を反映させるため，ゲートから十分に下流側での射流の流速特性を明らかにするため，レーザー流速計を移動させるために必要なレールの延伸を予定している．このレールの予備的設計は終了しているため，令和2年度の早い段階で必要な据え付け装置の製作を行うことが可能である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
理由：レーザー流速計を移動・固定するためのレール・治具の費用が平成３０年度に予算計画していた段階よりも価格が高騰していたため，平成３１年度の予算では人件費・謝金・その他の費用を減らし物品費を多く使用するように予算の配分を再考した．しかしながら，予算の再配分だけでは必要なレールの長さを確保することができず，レール長を短くする必要が生じた．その結果，次年度使用額が生じた．
使用計画：令和２年度の研究では，レーザー流速計を移動・固定するためのレールの延伸が必要であり，レール製作・設置費用として令和２年度に支出する計画である．
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