研究課題/領域番号 |
19K04651
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 仁美 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (00509193)
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研究分担者 |
三輪 富生 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (60422763)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自動運転 / 幸福度 / 交通サービス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,都市構造の違いによる望ましい自動運転サービスを検討することである.初年度である令和元年度は,まず,研究代表者らが,以前,日本,アメリカ,オランダで実施した自動運転に関するwebアンケート調査データを利用して,自動運転に対するイメージと利用意向の関係について分析分析を行った.サンプル数は各国1000名である. 自動運転に対するイメージについては,「安全な/危険な」,「身近な/近寄りがたい」,「有用な/不要な」など18個の形容詞対について7段階で尋ねたものである.3ヶ国のデータをそれぞれ因子分析し,それらの結果を参考に,18個の形容詞対を関心,先進性,魅力,親近性,信頼性,利便性の6つの因子に分類した.18個の形容詞対と6つの因子,自動運車両の購入や利用意向の関係を明らかにするために多重指標モデルを適用し分析を行った.その結果,利用や購買意向を高めるためには,日本では自動運転への関心を高める必要があり,また安全性をアピールすることも重要であることが明らかとなった.また,アメリカでは自動運転への信頼性と魅力,オランダでは利便性をアピールすることで利用や購買意向を高める可能性が示唆された.一方で,3ヶ国ともに先進性を感じると利用・購買意欲が下がる傾向があることも明らかとなった. 次年度は,国ごとの違いだけではなく,居住地の違いを考慮可能な分析を行い,都市構造と市民の利用意向や自動運転へのイメージの相違を明らかにする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査を実施する予定であったが,既に実施されたアンケート調査の分析を先行したため,今年度は実施できていない.今年度実施した分析を踏まえて,調査設計を行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,国による違いだけではなく,居住地域による違い等も考慮することで,どのような都市で自動運転が望まれているのかを明らかにする分析を行う.さらに,様々なサービスレベルでの自動運転車両の購入意向や利用意向を尋ねた設問を用いて,サービスレベルの違いによる利用・購入意向についても分析を行う予定である. また,交通サービスが便利になったことによる誘発交通の把握などを目的として,アンケート調査を実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
webアンケート調査を実施する予定であったが,まずは研究代表者らが以前収集したデータで分析を行い,その結果を踏まえて,アンケート調査設計を行った方が良いと判断したため,次年度使用額が生じた.差額は,webアンケート調査に利用する予定である.
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