研究課題/領域番号 |
19K04669
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
仁木 将人 東海大学, 海洋学部, 教授 (30408033)
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研究分担者 |
加藤 茂 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40303911)
田中 昭彦 東海大学, 清水教養教育センター, 准教授 (00758005)
丹 佑之 東海大学, 清水教養教育センター, 講師 (90770909)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | UAV / 干潟 / リモートセンシング / 底生珪藻 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、干潟における底生珪藻の分布に関して、UAVを使用するリモートセンシング技術による広域観測手法の開発と適用である。最終年度であるため、コロナ禍もあり、進んでいなかった現地観測を積極的に行うべく、昨年度、導入したマルチスペクトルカメラを登載した農業用ドローンを使い、観測対象とする愛知県東幡豆干潟にて、2022年3月22日、8月28日、9月9日および9月27日に観測を企画した。そのうち、8月28日は現地に赴いたが強風のためドローンでの撮影を断念した。また、9月27日に関しても機器が故障を起こし正常な観測が行えなかった。しかし、データが取得できた3月22日および9月9日の観測データを使用し、ドローンに登載したマルチスペクトルカメラの撮影画像を使った解析を行った。 撮影画像から求めた正規化差植生指数(NDVI)と、持ち帰り分析した底泥のクロロフィルa量との相関は、3月が0.81、9月が0.82と高く、検定結果からも相関が認められた。しかし、期間を分けずに求めた相関係数は0.52と相関係数が低下した。NDVIは植生指数として最も一般的に使用される指数であるが、植物の被覆量や成長具合、活力の判断に利用される。底生珪藻のNitzschia sp.は低光強度域で増殖速度のピークを示し、高光強度域では強光阻害が生じる(山本,2009)との報告があり、9月の観測時は3月に比べて高温で天候も良かったため、強光阻害が生じていた可能性が考えられた。また、昨年度観測で確認されていた、植生の確認できない転石帯でNDVI値が高くなる傾向に関して、本年度も確認されたため、データを詳細に検討した。その結果、転石の素材と乾燥の影響がみられ、マッピングにおいては底質の違いを考慮する必要が認められた。最終的に、解析結果をもとに目標としていた干潟上のクロロフィルa量のマップを作成した。
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