当研究室では、これまでに取得した細菌由来のキレート物質(メタロフォア)が、めっき廃液中のニッケルイオンの回収に利用できることを見出している。この物質の特徴は既知のものとは一致せず、新規化合物である可能性が高い。本研究ではこのメタロフォアについて、(1)高生産条件の検討、(2)精製と構造解析、(3)固相抽出と組み合わせたニッケル回収の条件検討を行った。(1)の結果、メタロフォアの生産量を当初の3倍に増やすことができた。(2)の結果、構造中に環状化オルニチン、アルギニン等を含むペプチドであることが示唆された。(3)では、実際のめっき廃液から、ニッケルイオンを回収できることを確認した。
|