| 研究課題/領域番号 |
19K04690
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| 研究機関 | 広島大学 |
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研究代表者 |
山本 春行 広島大学, 国際協力研究科, 特任教授 (60158293)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 粒子破砕 / せん断強度 / 三主応力制御型高圧圧縮試験機 / 応力経路 / 平均応力 / 偏差応力 / Lode角 / 粒子破砕量 |
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| 研究実績の概要 |
土粒子に高圧力が作用すると土粒子自体が細かく壊れていくことが分かっており、これを粒子破砕という。粒子破砕現象が発生すると粒状体の体積は急激に減少しせん断強度が大きく低下していくため地盤の支持力が減少し、特に杭基礎先端支持力設計においては相当厳しい問題となる上、急激な沈下の原因となる。このような問題を解明し、破砕実験から定量的な設計根拠を得ることが目的であり、初年度(2019年度)には、それぞれ破砕強度の異なる3種類の砂資料(豊浦珪砂・まさ土・シラス)の粒子破砕に関する基本的な性質を調べた。
粒子そのものの大きさの違いによる影響を取り除くため、豊浦珪砂と同じ粒径加積曲線になるように粒度調整を行って、同じ応力経路を通る場合の破砕実験結果を比較したところ、豊浦珪砂に比べてマサ土の方が粒子破砕が進行しやすいという傾向が確認できた。また、実験後のマイクロスコープによる粒子写真を用いて画像解析を行うことで求めた凹凸度、針状比の関係からもマサ土の粒子破砕性が大きいことが分かった。同様に粒度調整を行ったシラスの破砕試験結果から、マサ土よりもさらに大きく破砕が進行しており、粒子破砕による急激な体積減少を伴うことを確認した。
粒子破砕が生じると破砕した細かい粒子は間隙に入り込んでいくものと考えられるため、塑性体積ひずみεvpと粒子破砕量Brとの間に密接な関係があると考えられる。これらの関係を破砕試験結果から調べたところ、豊浦珪砂、マサ土、シラスともに明確な直線関係が得られ、高い直線近似精度を示していた。また、豊浦珪砂に比べてマサ土やシラスの場合には、粒子破砕量Br、塑性体積ひずみεvp共に大きくなっており、それぞれの土粒子自体の破砕に対する材料強度特性が反映された結果が得られた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
破砕実験の対象に定めた3種類の砂資料(豊浦珪砂・まさ土・シラス)の粒子破砕に関する基本的な性質が明らかになり、粒状体を構成する砂資料の平均粒径や均等係数が粒子破砕に及ぼす影響についても三主応力制御型高圧圧縮試験機による等方圧縮試験(IP)結果から定量的に評価することができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
破砕実験の対象に定めた3種類の砂資料(豊浦珪砂・まさ土・シラス)に対して、一般的な応力経路下(平均応力p, 偏差応力q, Lode角を独立に制御)での破砕実験を行い、粒子破砕が粒状体の体積減少やせん断強度低下へ及ぼす効果を定量的に調べていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
消耗品等はすでに購入済みの物品を使ったことや破砕実験用砂資料の無償提供を受けたこと、ならびに2020.3月に開催され関連研究発表のため参加するはずであった国際会議(研究報告論文査読受理済み)が新型コロナ禍により延期になったので未使用額が発生した。延期された国際会議が開催された場合の参加経費、ならびに未発表研究成果の研究発表経費に充当する予定。
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