研究課題/領域番号 |
19K04696
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
西村 督 金沢工業大学, 建築学部, 教授 (30367445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 固有値 / 重解 / 極小曲面 |
研究実績の概要 |
「接線剛性行列の固有値が重解<=>極小曲面」の対応が正しければ固有値の制御方針が決定でき、下記の2020年度までの2つの課題がほぼ達成される。 第1課題:膜構造の釣り合い行列の固有値と膜面の歪エネルギーとの関係を数学的に解明 第2課題:固有値を制御して歪エネルギーが停留する等張力曲面のみを探索する解析法 Wiener-Dauglas問題では最初の極小曲面で第4、5番目の固有値が重解となった。昨年度の手法の課題で最初に得られる極小曲面からトンネル関数を定義する際、曲面座標全体をずらすとその後の形状座標が非対称となる。Wiener-Dauglas問題で膜面の要素配置が1/4対称として形状移行させ、接線剛性行列の固有値変化を再調査すると別の極小曲面付近で2つの固有値(第5と6番目、第7と8番目の固有値)が近接する結果が得られた。また懸垂曲面の形状解析でも極小曲面のとき、接線剛性行列の固有値(第5と6番目)が重解となった。なお膜曲面を線要素で形成したモデルの接線剛性行列と釣り合い行列の固有値は一致していた。 「膜面形状が極小曲面のとき、接線剛性行列の固有値に重解が現れるという特性を有する」という推測は正しいと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
釣り合い行列の固有値を制御する方針は変更していないが、どの固有値をどう操作すべきかが未だ解明されていない。
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今後の研究の推進方策 |
複数の極小曲面が存在するとき、一般に最初に得られたの極小曲面が面積最小曲面でない場合、不安定な極小曲面(極大解)を経て、安定な極小曲面の形状探索をすることになる。不安定な極小曲面で接線剛性行列または釣り合い行列の固有値を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画書の初年度の目標に対して達成度が不十分である。 本年度内に研究課題のアイディアと方法論を修正し、成果を次年度の6~9月に審査論文を投稿する。
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