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2020 年度 実施状況報告書

実施工に寄与するポーラスコンクリートの実践的品質管理技術の提案

研究課題

研究課題/領域番号 19K04710
研究機関三重大学

研究代表者

畑中 重光  三重大学, 工学研究科, 特任教授(研究担当) (00183088)

研究分担者 坂本 英輔  広島工業大学, 工学部, 准教授 (40583539)
額 日登敖其尓  東京理科大学, 工学部建築学科, 助教 (50880770)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードポーラスコンクリート / 透水性コンクリート / 空隙率 / 非破壊検査 / 品質管理 / 超音波速度法 / 動弾性係数 / 固有振動数
研究実績の概要

ポーラスコンクリート(以下、POC)は、内部に連続空隙を有し、透水性、植栽性など、多様な性能を期待できる新しい社会基盤材料である。本申請は、研究代表者らのこれまでの長期にわたる研究の延長線上にある。すなわち、住環境の改善、都市型水害の軽減などへのPOCの応用を、実践的でより信頼性のある段階へステップアップさせようとするものである。本研究では、POCを製造した後の現場対応工程(運搬、締固め、など)における品質変化について、そのメカニズムを明確に把握し、品質確保のための新たな技術・方策を提示する。
研究2年度は、現場での空隙率推定を目的として以下の2シリーズの実験的検討を行った。
実験1では、POCの動弾性係数と空隙率関係について、空隙率および骨材粒径を変更させたPOC試験体を用いた実験、並びにセメントペーストの中に球形の発泡スチロールを配置して,空隙の量と径を定量的に変化させた試験体を用いた実験を行った。
実験2では、まず空隙,骨材および結合材より成るPOCの簡易な物理モデルを提案し,その弾性係数―空隙率関係について理論的検討を行った。また,空隙率を大幅に変化させたPOC試験体の弾性挙動―空隙率関係(動弾性係数,超音波伝播速度,固有振動数―空隙率関係)について実験を行い,物理モデルの妥当性を確認した。その結果,POCの動弾性係数-空隙率関係は,骨材,ペーストおよび空隙の三要素を用いた簡単な物理モデルに基づく線形式で表示できること,超音波伝播速度-空隙率関係,および固有振動数-空隙率関係は,弾性振動波動論に基づく2次の関数でほぼ表示できることなどが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

区分 (2)おおむね順調に進展している。
(理由)当初の計画では、研究2年度は以下の事項を実施することとした。
a) 実大アジテータ車を使用した運搬実験
b) FEMによる締固め状況のシミュレーション解析
c)打音法に関する実験
上記のa),b)は、昨年度の研究によって本研究遂行上の十分な結果が得られたと考えられたため、c)の実験的検討を充実させるとともに解析的検討を追加した。すなわち、現場に適用できる非破壊試験法として、当初の打音法に加えて超音波速度法(表面法)の適用性についても実験および解析的に比較検討した。本年度の研究によって、現場に適用可能なPOC空隙率推定のための非破壊試験法を提示する目処がついたといえる。

今後の研究の推進方策

令和2年度の実験は順調に進めることができた。今後は当初の計画通り、非破壊試験法による簡易で実践的なPOCの空隙率推定手法を提示する。すなわち、現場に適した試験方法のマニュアルを作成する予定である。
実験・解析に要する謝金を見積もっていたが、実験の省力化を図ることができ、本年度はこの予算が縮小できた。そのため、 次年度に行うマニュアル作成のための追加的な確認実験および解析をより充実させるための経費に使用する。

次年度使用額が生じた理由

実験・解析に要する謝金を見積もっていたが、実験の省力化を図ることができ、本年度はこの予算が縮小できた。そのため、 次年度に行うマニュアル作成のための追加的な確認実験および解析をより充実させるための経費に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ポーラスコンクリートの遠心脱水処理装置の作製に関する一検討2021

    • 著者名/発表者名
      坂本英輔,蜂須賀央勝
    • 雑誌名

      日本建築学会中国支部研究報告集

      巻: 1 ページ: .33-36

  • [雑誌論文] ポーラスコンクリートの動弾性係数-空隙率関係に及ぼす骨材粒径および空隙径の影響に関する実験的研究2020

    • 著者名/発表者名
      エルドンオチル,畑中重光
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: 1 ページ: 489-490

  • [雑誌論文] カナダ法を援用したポーラスコンクリートのアルカリシリカ反応特性に関する一検討2020

    • 著者名/発表者名
      坂本英輔,杉原大祐
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: Vol.42,No.1 ページ: 1306-1311

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ポーラスコンクリートのカンタブロ試験について2020

    • 著者名/発表者名
      坂本英輔
    • 雑誌名

      建材試験情報

      巻: Vol.56 ページ: 2-5

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公開日: 2021-12-27  

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