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2020 年度 実施状況報告書

鋼構造骨組における丸鋼ダンパーの高性能化および設計法構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K04711
研究機関広島大学

研究代表者

田川 浩  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (70283629)

研究分担者 陳 星辰  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (00816564)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード丸鋼ダンパー / 座屈拘束 / 方杖ダンパー / 繰返し載荷実験 / 心棒架構 / 鋼構造 / 地震応答解析
研究実績の概要

本研究では座屈拘束丸鋼ダンパーの高性能化を目指して,提案ダンパーの構造特性を詳細に明らかにしダンパーの性能向上について検討するとともにダンパー設計法を構築することを目的としている。2020年度は,主として(1)座屈拘束柱ダンパー,(2)座屈拘束方杖ダンパー,(3)並列する心棒架構間に配置する座屈拘束ブレース,(4)複数の丸鋼芯材を座屈拘束ブレース,を中心に研究を進めた。
(1)で検討する座屈拘束柱ダンパーは心棒架構の両側に配置され、地震時に心棒の揺動に伴い丸鋼の塑性変形によりエネルギー吸収することを期待したものであり、前年度に行った小型模型試験体による繰返し載荷実験結果に基づき、丸鋼芯材の特性を詳細に分析するとともに設計法を構築した。2カ所の縮み代を与えることの有効性を確認した。(2)で検討する座屈拘束方杖ダンパーは丸鋼芯材と円形鋼管座屈拘束部材で構成されている。前年度の繰返し載荷実験で使用した方杖よりも長い方杖を対象とした実験を行い、中央カプラーの両側を補剛する部材の必要長さを明らかにした。(3)では前年度に心棒架構間に丸鋼を用いた座屈拘束ブレースを配置したシステムの繰返し載荷実験を通じて性能を確認している。そこで5層鋼構造骨組に提案システムを組み込んだモデルの地震応答解析を通じて制振性能を分析した。さらに理論検討に基づく等価モデルを適用することにより設計効率を高める手法を提案した。(4)では4本の丸鋼芯材を座屈拘束する1次鋼管を複数のスペーサーで2次鋼管に連結する全く新しい形式の座屈拘束ブレースを考案し繰返し載荷実験を通じて性能を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

次に示す各項目を遂行しており本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
(1)心棒架構の両側に配置される座屈拘束柱ダンパーについて、前年度に行った小型模型試験体による繰返し載荷実験結果に基づき、丸鋼芯材の特性を詳細に分析するとともに設計法を構築している。
(2)座屈拘束方杖ダンパーについて長い方杖を対象とした実験を行い特性を明らかにしている。
(3)心棒架構間にダンパーを配置したシステムを5層鋼構造骨組に組み込んだモデルの地震応答解析を通じて制振性能を分析している。
(4)4本の丸鋼芯材を有する新しい形式の座屈拘束ブレースを考案し繰返し載荷実験を通じて性能を確認している。

今後の研究の推進方策

心棒架構の両側に丸鋼芯材を有する座屈拘束柱ダンパーを配置したシステムと心棒架構間に座屈拘束ブレースを配置したシステムを組み込んだ鋼構造骨組の地震応答解析をパラメトリックに行う。
解析結果を分析しダンパー性能を効率よく発揮させるための設計法を構築する。
複数の丸鋼芯材を有する座屈拘束ブレースを改良し軽量化と施工性の向上を図り、繰返し載荷実験を通じて改良効果を分析するとともにブレースの設計法を構築する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Buckling-restrained steel bar damper for spine frame system2021

    • 著者名/発表者名
      Mateus Jhon Alexander Segura、Tagawa Hiroshi、Chen Xingchen
    • 雑誌名

      Engineering Structures

      巻: 229 ページ: 111593~111593

    • DOI

      10.1016/j.engstruct.2020.111593

    • 査読あり
  • [学会発表] 並列心棒架構間にダンパーを配置した制振システムを有する鋼構造骨組の地震応答解析2021

    • 著者名/発表者名
      前田知隆,陳星辰、田川浩
    • 学会等名
      日本建築学会中国支部研究発表会
  • [学会発表] 複数の丸鋼芯材を用いた座屈拘束ブレースの繰返し載荷実験2021

    • 著者名/発表者名
      張思晋、田川浩、陳星辰
    • 学会等名
      日本建築学会中国支部研究発表会
  • [学会発表] Experimental study on steel beam-to-column joint strengthened by buckling-restrained knee brace using steel bar core2020

    • 著者名/発表者名
      Togtokhbuyan Munkhunu, H. Tagawa, X. Chen
    • 学会等名
      17th World Conf. on Earthquake Eng. (17WCEE)
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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