研究実績の概要 |
径厚比D/t=37の試験体3体について,変動振幅の実験を行った.軸力比はn=0.3とし,振幅の組合せは,部材角(1)R=0.75,1,1.25,1.5%のものと,(2)R=1,1.17,1.33,1.5%,(3)R=0.75,1,1.25,1.75%の3種類である.十分なデータ整理はできていないが,(1),(2)を比較すると(2)のほうがやや耐力の低下が大きかった.しかしながら,正側と負側の耐力劣化挙動が双方で異なっていたこともあり,単純な比較をすることは難しかった.(3)の試験体は,最も耐力の低下が大きかった.これは,最大の変位振幅(部材角)が大きいことによると考えられる.当初は,変位振幅の影響を詳細にみることを予定していたが,最初に実施したR=1.25%試験体の結果から,部材角と限界繰り返し回数(最大耐力後,ある耐力まで低下するまでの繰返し回数)の関係は対数軸上でおおむね線形的になり,R=1%,1.5%の中間的な部材角-限界繰り返し回数の関係となる結果が得られたため,変動振幅繰返し載荷の実験を実施することとした. また,基準整備促進事業S29において,変動軸力の実験が行われ,その結果を見ると,軸力比が0~0.6に変化するような場合,軸方向の縮みは一定軸力n=0.6とは全く異なり,縮み量が小さいことから,一定軸力n=0.6は現実的には日本国内では存在しないことと,これまで一定の実験結果を得てきたことから,変動軸力の実験ができるよう計画を進めた. 径厚比D/tが42と大きい試験体を8体製作した.
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