研究課題/領域番号 |
19K04723
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
濱田 靖弘 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40280846)
|
研究分担者 |
桑原 浩平 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (40374582)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 熱環境 |
研究実績の概要 |
本研究「空調・エネルギー・生体情報等の一体制御デバイスを導入した健康指向型スマートハウス」は,これまで個々のリモコンや制御装置が用いられてきたエアコン,パネルヒータ,湿度調整等を一つの制御デバイスで運用する機能をハイブリッドHEMS(Human Environment and Home Energy Management System)に導入することにより,健康で環境に低負荷な住宅の実現をめざすものである.パワー密度の大きい電気二重層キャパシタとエネルギー密度の大きい二次電池の複合利用を図る住宅用ハイブリッドバッファデバイスを導入することにより熱電併給を核としたHome Energy Management System(HEMS)を構築するとともに,人間の健康を衛るため体調(心拍数・体温・体表温・血圧等)を予測・管理し,機器発停のトリガー等に適用可能なHuman Environment Management Systemによる安全リスク評価を実施する. 令和2年度は,具体的に以下の項目について研究を実施した. ■電力の急峻な負荷変動に対応可能なパワー密度の大きい電気二重層キャパシタを住宅用として導入し,二次電池と複合的に利用することによって,省エネルギー化,環境負荷低減,長寿命化を図るハイブリッドバッファデバイスを提案した. ■ハイブリッドバッファデバイス,熱電併給システム,太陽光発電等を複合的に活用する場合の各種運転シナリオを提示した.さらに,これらの運転を実際に行うために,各機器を統合的に最適制御し,高い直流/交流変換効率を有する新しいパワーコンディショナシステムを開発した. ■国内各地域において,フィールド実測世帯を選定し,従来にない秒単位の電力・熱需要データベースを構築した.また,これらの世帯に熱電併給システムを導入した場合の効果を実測と解析の両面から明らかにした.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の通り,順調に研究成果の蓄積がなされている.
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度に得られた結果をもとにして,以下の要領で研究を行う. ■人間の健康を衛るための安全指標として,心拍数・体温・体表温・血圧等を予測する新人間環境評価モデルを開発する.これは,発汗に伴う衣服物性の変化を考慮する等,従来にない新しい手法に基づくものであり,PMV等従来指標より高精度のヒートファクター(HF)を新たに導入する.また,被験者実験によって予測のための各種設定値データベースを開発する.本モデルは,熱中症・コールドショック等を未然に防止し,高齢者・子供たちの健康を衛るためにも有効である. ■熱電併給を核としたHome Energy Management System(HEMS)を構築するとともに,新人間環境評価モデルに基づき,機器発停のトリガー・警報・携帯端末伝送等に適用可能なHuman Environment Management Systemによる新健康リスク管理デバイスを開発し,連携を図るハイブリッドHEMSを提案する. ■ハイブリッドバッファデバイス,固体高分子形燃料電池・固体酸化物形燃料電池・ガスエンジン等の熱電併給システム,太陽光発電等を複合的に活用し,これらを新しいパワーコンディショナシステムとハイブリッドHEMSにより統合制御し,健康環境を確保するスマートハウスを提案し,ラボ実験,フィールド実測,および数値解析によって,その効果を検証する.
|