本研究「空調・エネルギー・生体情報等の一体制御デバイスを導入した健康指向型スマートハウス」は,これまで個々のリモコンや制御装置が用いられてきたエアコン,パネルヒータ,湿度調整等を一つの制御デバイスで運用する機能をハイブリッドHEMS(Human Environment and Home Energy Management System)に導入することにより,健康で環境に低負荷な住宅の実現をめざすものである.パワー密度の大きい電気二重層キャパシタとエネルギー密度の大きい二次電池の複合利用を図る住宅用ハイブリッドバッファデバイスを導入することにより熱電併給を核としたHome Energy Management System(HEMS)を構築するとともに,人間の健康を衛るため体調(心拍数・体温・体表温・血圧等)を予測・管理し,機器発停のトリガー等に適用可能なHuman Environment Management Systemによる安全リスク評価を実施する. 令和3年度は,具体的に以下の項目について研究を実施した. ■家庭用GE-CHP(負荷追従型ガスエンジン-熱電併給)システムを北海道大学構内の実験住宅に設置し,夏期代表日,中間期代表日および中間期代表月の運転状況の評価を通じ,本システムの省エネルギー性を明らかにした. ■上記システムについて,冬期における各種効率や一次エネルギー消費量,収支についての報告を行い,システムの省エネルギー性を明らかにしたと同時に,主観申告や体表温測定などの被験者実験を行うことで室内環境の快適性・安全性を評価した.
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