研究課題/領域番号 |
19K04725
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
桃井 良尚 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (40506870)
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研究分担者 |
宮本 征一 摂南大学, 理工学部, 教授 (80273316)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 人体 / サーマルマネキン / 気流感 / 対流熱伝達 / 放射熱伝達 / 熱流センサ / 輻射センサ / 風圧 |
研究実績の概要 |
人間の気流に対する感覚知覚メカニズムを明らかにすることを最終目標として、2019年度は、人体周辺気流のCFD解析手法に関する基礎検討として、人体形状及び人体表面のメッシュ分割方法が人体表面の対流熱伝達率や静圧分布に及ぼす影響について検討を行った。2020年度は、風速と室温を制御することができる東京工芸大学の風工学研究センターの実験施設において、人体模型を用いた微差圧計による人体各部位の風圧測定と、サーマルマネキンを用いた人体表面での風圧測定及び対流熱伝達量測定と人体表面近傍での風速測定を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、学外での実験が困難になったため予定通りに進めることができなかった。そのため、福井大学の実験室において、サーマルマネキン表面の対流熱伝達率測定に用いる熱流センサの測定精度についての基礎実験を行なった。具体的には、高放射率の熱流センサと金属面加工した低放射率の2枚の小型熱流センサ(江藤電機製)を用いて、水平加熱平板に気流を与えた際の熱流束を測定し、両者の出力値の差から対流熱伝達率の算出を行った。この熱流センサは大きさが1cm角であるため、人体表面など曲面であっても微小面で熱流測定が可能であるという特徴を有している。これらの小型熱流センサの出力値を既存の輻射センサの出力値や計算値と比較し、風速条件によっては補正が必要であるものの、十分な測定精度を有していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、学外での実験が困難になり予定通りに進めることができなかった。そのため、福井大学の実験室において、サーマルマネキン表面の対流熱伝達率測定に用いる熱流センサの測定精度についての検証実験を行なった。2020年度に予定していた実験については、熱流センサの検討結果を踏まえ、2021年度に改めて行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に予定していた縮小模型およびサーマルマネキンを用いた人体表面の風圧及び風速を測定する。風圧測定には微差圧計を用いて、風速にはPIV流速計を用いて時間変動値を測定し、両者の相関性についても検討する。また、サーマルマネキンについては、熱流センサを用いて部位ごとの対流熱伝達率を測定する。いずれの物理量も2019年度に行ったCFD解析で得られた結果と比較することで、CFD解析の精度検証を行う。また、人体部位に気流を与えた際の気流感に関する被験者実験を行うとともに、皮膚表面の物理量(風圧、風速、対流熱伝達率)との関係性について考察を行う。
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