本研究では柏崎市内の太田材木店製材工場でスギの素材丸太にHF帯域のICチップをRFIDタグとして埋め込み,その後の搬送,移動,加工,人工乾燥及び木材製品化の工程でICチップに保存したデータを途切れさすことなく継続させた。また素材丸太の木口断面の年輪画像により,個体識別が可能であることを深層学習により確かめた。さらにICチップのIDで統轄したデータベースに,素材丸太の末口と元口それぞれについて木口の中心点と年輪の中心点の偏芯距離を記入した。その値と人工乾燥後の曲がりの大きさとを比較し,回帰分析した結果を反映させて,製材後の製品歩留まりを向上させた。
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