研究課題
基盤研究(C)
大気中の熱を集めることができる画期的な技術であるヒートポンプ給湯機は,屋外のユニットに大きな開口面が必要となり,深夜の騒音源になり得る。本研究では,開口面から放射されて周囲に広がる低い周波数の騒音を低減するために,音の干渉現象を利用したアクティブ騒音制御技術の適用可能性を検討した。数値シミュレーションや実物大模型実験により,適切な干渉音源の本数や制御マイクロホンの位置を明らかにし,また,地面などの反射面のある空間においても適応制御させることが可能であることを明らかにした。
環境音響学,騒音制御
アクティブ騒音制御技術は発展途上の技術であり,省エネルギー設備から生じる騒音に対する適用可能性が詳細に検討されることはなかった。本研究では,最新の数値シミュレーションと精緻な実物大模型実験により,制御効果を可視化し,適切な制御方法を具体的に示し,得られる効果を定量的に明らかにした。本研究において,適切に構築されたアクティブ騒音制御システムによる低周波音の放射を抑制する能力は,従来の遮音塀による対策と同等の効果を発揮する可能性が示された。