研究課題
基盤研究(C)
本研究は、2016年熊本地震で将来の本設化を視野に入れて整備された木造仮設住宅を題材として、その実際の転用の過程を調査し、効果的かつ合理的な利活用を可能にするための知見をまとめたものである。発災直後の敷地選定において考慮すべき内容と作業の流れ、できるだけ居住者の移動を伴わない仮設住宅から恒久住宅への改修方法、最終的な改修や移設を見越した計画の可能性、一連の計画を進めるに当たっての留意事項などを明らかにした。
建築計画
本研究は、今後起こりえる災害被災地で建設される仮設住宅について、その供給方法や設計、敷地選定や運用方法などの知見に寄与し、その計画を策定する各自治体担当者や、復興を支援する方々にとって重要な示唆を与えることになる。もし最初から地元の施工業者が本設住宅あるいは他の用途の建物へと転用しやすい仮設住宅を建設できれば、資源の有効活用と持続可能性、自立再建力のない被災者の負担軽減、そして速やかな地域経済の復興にもつながる。