・全国のMehrgenerationenhausの分布、事業主体、サービス概要等の整理を行い、次年度以降の現地調査の準備を行った。Mehrgenerationenhaus(以後MGH)とは、ドイツ連邦家族・高齢者・女性・青少年省が行う家族政策であり、新設の施設ではなく、既存の福祉や幼児教育を母体とする施設や、NPOや市民ボランティア団体の活動拠点をMGH適用施設として認定する運営のあり方に特色がある。また、誰でも交流できる場としてパブリックリビングが設置されており、福祉施設では食堂やビアガーデンを一般市民向けに開放したり、幼稚園ではカフェを併設し、母親の交流スペースとして利用するだけでなく、高齢者のボランティアの場として活用したりするなど、事業主体によって位置付けが多様であることがわかった。 ・2006~11年の第一期では「多世代交流によって世代間の知識や経験の継承を行い、持続可能な社会を目指す」こと、2012~16年第二期では「様々なバックグラウンドを持つ人々への支援とワークライフバランスの向上」、2017~の第三期では、「地域にニーズに特化したプログラムを持つ施設づくりを目指す」に変化しており、より地域ニーズへの対応が求められるものに変化していることがわかった。 ・コロナ下でドイツ現地での調査ができなかったので、日本における多世代、地域に密着施設の現地視察、インタビューを行った。施設運営者へのヒアリングにより、緊急事態宣言による外出自粛のためより地域における交流施設が求められている現状を把握した。
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