今日では3世代が同居も珍しく、若者と高齢者の間で知識や経験を日常的に受け継ぐことも、子育てや介護の支援を親族から受けることも難しくなっている。このように人間関係の希薄化が進む中、地域コミュニティにおける社会関係資本をどのように再構築していくのかは大きな課題と言える。MGHでの現地調査により、交流を促す①空間的工夫(配置計画, インテリア計画)、②プログラムによるしかけ(運営計画)、③施設複合化による利用者の混在状況等(施設の複合化計画)から考察を進め、家族や血縁の枠を超え、広義で多世代交流の機会を捉えた地域コミュニティの可能性について知見を得、実際の地域計画に還元する点に社会的意義がある。
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