研究課題/領域番号 |
19K04757
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
角田 誠 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (10180035)
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研究分担者 |
松本 真澄 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (60229573)
江口 亨 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (60599223)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 分譲集合住宅 / 専有部分 / リノベーション / 管理ルール / 改修技術 / 居住者要求 |
研究実績の概要 |
最終年度として、マンション管理者・居住者・改修工事技術者に有用な、分譲マンション専有部分リノベーションの実践のための技術支援策を提示した。 具体的には、マンション管理者としては、住戸リノベーションについて、空き家防止や若年居住者の増加につながるため、できるだけ自由に工事が進められるようにしたいという意見も見られたが、制限や禁止事項を追加する方向やチェックリストで工事可能範囲を明確にする方向での管理規約等の改定が妥当であることが明らかとなった。 居住者に対する策としては、DIYの普及可能性を考察するため、一般向けにアンケート調査を行い、DIYを行う動機やノウハウ獲得の方法について把握した。回答者の約30%がDIY経験者は多いが、大規模なDIYに興味のある居住者は比較的少数派であることを明らかとなった。また、居住者が参加するリノベーション工事の多くは仕上げ工事に留まっており、かつ下地工事までの参加を認めているものでも、工事における労力や工期についての業務内容については明確な想定がなされていないことが明らかとなった。しかしながら、改修工事技術者を取りまとめるリフォーム・リノベーション会社としては、施主参加のリスクを想定し、品質保証の範囲の明確化することの必要性を示すとともに、施主の参加目的に応じたリフォーム会社が計画できる施主参加作業内容と必要な業者の付帯業務を示した。 現状行われている専有部分の住戸リノベーションをより推進させるための具体的方法論を考究するうえで、住戸の高経年化、居住者の高齢化等を想定すると、居住者側の改善要求の幅と改修設計・施工側の技術要素の幅にはさほどの開きがなく、両者を結びつける意味でも管理側の制限の幅が問題となる。さらに言えば、成功・失敗事例の情報共有が今後の管理者側に最も求められる内容であることを導き出した。
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