研究課題/領域番号 |
19K04759
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
小杉 学 明海大学, 不動産学部, 准教授 (30410856)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高経年マンション / 高経年期管理システム / 仮終末 / 超長期修繕基本計画 |
研究実績の概要 |
4月には、日本マンション学会福岡大会にて、研究代表者(小杉)および、研究協力者3名(藤木、内田、廣田)とともに、分科会を開催し、研究枠組み、研究の論点について報告を行った。小杉は、研究テーマである「高経年期管理システム」の全体的なシステム構想、および、同システムの中核をなす「仮終末設定」「区分所有権集約」について仮説と研究方法、課題等について提示した。藤木は、同システムの基盤(下支え)となる「終わりのある超長期修繕基本計画」について、仮説、研究方法、課題等について提示した。内田は、これらについて、法的側面から検討課題を提起した。具体的には、「管理組合による団体的拘束の権限」である。廣田は、管理組合の運動論的側面から検討課題を提起した。具体的には、合意形成基盤、現場での議論のスタート方法についてである。同分科会では、聴講者から多くの指摘があり、それらの指摘の解決も含めて、2019年の研究を進めた。全体統括を小杉、工学的側面を藤木、法的側面を内田、運動論的(コミュニティ論的)側面を廣田が担った。9月には、日本建築学会北陸大会にて、小杉と藤木で成果報告を行った。小杉は区分所有権集約のための信託活用、藤木は超長期修繕基本計画の事例検証を行った。その後、仮終末設定、および、超長期修繕基本計画について理論的検討を進めた結果、合理的な仮終末時期の判断方法、仮終末概念の明確化、具体化、そしてそれらにより、信託活用等による区分所有権集約の必要性を縮減させる効果があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年3月より、これまでの理論的検討から、実在のマンションおよび管理組合に協力を得て、超長期修繕基本計画を策定しその可能性を検証するフィールドワーク・事例検証を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、フィールドワークが中断している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの状況が改善した場合、ただちにフィールドワークが実施できるように、準備作業を進めておく。あわせて、理論的検討を進めておく。日本建築学会技術報告集に、ここまでの検討結果を投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
カラーレーザープリンタ等の機器を購入予定であったが、今年度は使用せずに研究を進められたため。次年度に購入予定。
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