研究課題/領域番号 |
19K04776
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研究機関 | ものつくり大学 |
研究代表者 |
三原 斉 ものつくり大学, 技能工芸学部, 教授 (90337684)
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研究分担者 |
浦江 真人 東洋大学, 理工学部, 教授 (10203598)
深井 和宏 ものつくり大学, 技能工芸学部, 教授 (60337681)
吉田 敏 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (00451881)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ミャンマー / 建設現場人材 / 施工管理技術者 / 技能労働者 / ゼネコン / サブコン / 建築生産 / 建築技術教育 |
研究実績の概要 |
中小ゼネコンやサブコンをはじめとした人手不足は深刻化しており、我が国の経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきている。このため、設備投資、建設技術革新、働き方改革などによる生産性向上や国内人材の確保を引き続き強力に推進するとともに、従来の専門的・技術的分野における外国人材に限定せず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する必要がある。 本研究は、建築生産に携わる施工管理技術者や各職種の基幹技能者たちを育成するにあたって、大学や専門学校等の建築生産教育および外国人の建設現場人材育成のための職業教育カリキュラムと教育効果をとりまとめたものに基づき、外国人材の受入れによる持続的な成長が可能な建築生産教育システムを構築することが目的である。 本研究の計画は、日本のものづくり現場における建築生産に携わる施工管理技術者や各職種の基幹技能者たちを育成するにあたって、大学や専門学校等の建築生産教育および外国人の建設現場人材育成のための職業教育がどのように行われているのかを確認し、それぞれの教育効果をとりまとめたものに基づき、外国人材の受入れによる持続的な成長が可能な建築生産教育システムを構築し提示することを主として実施する。具体的には、ものつくり大学における生産系主体のカリキュラムの一部を取り上げて、ミャンマー国 Skills Training Center (以下、STC)における教育カリキュラムにそれを採用したことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、STC(ヤンゴン・マンダレー)、ミャンマー建設業協会(MCEA)、ミャンマー建設省(ヤンゴン)、日系ゼネコン、ミャンマーローカルゼネコン、民間職業訓練学校等において、ヒアリング調査を行い、日本式(ものつくり大学式)教育方法の採用前と採用後における訓練生の変化を調査し、比較することでその効果を確認した。本調査では、ものづくり現場での施工管理技術者や各職種の基幹的な技能労働者等の将来の目標を立ててこれを目指す若者たちが、日本式の新しい教育カリキュラムを実践することで自己啓発につながり、授業と楽しみとの相乗効果により、ミャンマー国における建設の仕事において必要とされている現場人材を育成することが可能であることを確認した。 今年度の成果は、ミャンマー国内において、生産系教育カリキュラムを有しているものつくり大学のカリキュラムを参考にして新しいものづくり教育カリキュラムを構築し、実施されていることが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、日本において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく建築生産教育システムを構築するための調査を実施することである。また、就職人口が最も多いゼネコン(サブコン含む)にターゲットを絞り、若者たちおよびゼネコンやサブコンが必要としている生産技術に対応した、国内外における新しいものづくり教育カリキュラムを構築し、その効果を検証することが重要である。 日本のゼネコンやサブコンにおける人手不足は深刻化しており、従来の専門的・技術的分野における外国人材に限定せず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する必要がある。本研究は、建築生産に携わる施工管理技術者や各職種の基幹技能者たちを育成するにあたって、教育現場における職業教育カリキュラムと教育効果をとりまとめたものに基づき、外国人材の受入れによる持続的な成長が可能な建築生産教育システムを構築する。今後は、日本とアジア諸国の各教育機関やゼネコン・サブコン・海外の訓練校を調査し比較検討することで、新しい現場人材の教育システムを策定し提示するものである。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査段階において、先方の都合等でヒアリングが複数不能であり、再調査する必要が生じたため。
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