研究課題/領域番号 |
19K04777
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
垣野 義典 東京理科大学, 理工学部建築学科, 准教授 (60385523)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学校建築 / ICT / フィンランド / オランダ / 学習空間 |
研究実績の概要 |
「主体的・対話的学習」およびICT活用上の学習空間計画の要件を明らかにすることを目的とし、本年度は、ICTを積極的に活用し授業を展開しているオランダの先進6事例において行動観察調査を完了した。現在、当調査をふまえ、ICTを活用する上での学年の相違とクラスルーム環境の設えの関係について、分析、考察を進めている。 具体的な分析内容としては①ICTを活用する上での学年の相違とクラスルーム環境の設えの関係②ICTを活用するためのスモールワークスペースの性質③児童の個人机の配置と教師の指導方法の関係④複数の学習を同時に成立させるための分節方法(ガラスの引き戸や扉の開閉方法、タイミング)があげられる。 上記分析内容については、現在までのところ、①学年が上がることで自発的な学習が可能となること、②それに伴い、児童の行動範囲も広がり、共用空間での共同学習も増えることが分かっている③一方、低学年では教師による補助を必要とし、そのことからクラスルーム内のスモールワークスペースの重要度も上がる。この様に、学年による違いを性格の違いを周到に利用していることが、オランダの個別教育の特徴として捉えられている。今後はさらに、クラスルームとコモンスペースを授業中において、学習空間として等価に連続して活用するための方策について考察していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、本年度はオランダのデルフト工科大学Susanne Komossa教授およびSien van Dam講師とともに、先進事例6例において、行動観察調査、ヒアリングを完了することができた。調査記録も、調査協力校の助力を得て問題無く採取することができた。現在は本記録をもとに分析、考察をすすめており、2020年6月に、海外のジャーナルに審査論文を提出するべく、論文の執筆を続けている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に展開したオランダの事例における進捗をふまえ、2020年度は引き続き、ICT先進国であるフィンランドに舞台を移す。そして、オランダ同様の調査を行い、日本、オランダ、フィンランドの事例比較を行うことで、今後の日本の教育現場に援用できる方法論を構築していく。 懸念事項としては、新型コロナウィルスの影響により、フィンランドへの渡航およびフィールドワークが困難になることである。本研究開始前に、既に2016年より調査記録を採取し続けていたことから、研究論文の執筆自体には影響は無いが、最新のフィンランドの教育現場における動向を確認しながら執筆を進める必要があろう。2020年度は、フィンランドの先進校と随時連絡をとりながら、引き続きオランダのデルフト工科大学Susanne Komossa教授およびSien van Dam講師と連携を計っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度はほぼ予定通り研究費を請求した。結果、前年度から野繰り越し分は、798円と少額であり、2020年度も当初の予定通りに予算を執行する予定である。
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