本研究は、2022年度までに、2020年より日本の小中学校で順次導入されてきた「主体的・対話的学習」およびICT活用を行うことに対し、どのような空間的解答がのぞましいか検証するものである。そのために、一斉授業から個別学習へと大きく教育内容を転換し、ICT を活用している国にフィンランド・オランダを先駆国と位置づけ、両国の小学校において、実地調査を継続的に行い行動観察記録を得ることが出来た。 2023年度は、これらの行動記録をふまえ「主体的・対話的学習」の導入にあわせ、どのような学習空間計画が要件となるかを検証し明らかにできた。今後はこれらの研究結果を随時、論文として公表していく。 一方で、これらの結果の一部は、日本が参照する上で最良の例として、文教施設協会が主催する「新しい学校づくりセミナー2023」にも掲載されている。また、他にはない貴重な資料として「北欧、オランダにおける5つの学校モデルを横断してみる学習空間」として、簡易ながら5つの学習空間モデルへ編集し、文部科学省での講演を行った。さらに、文部科学省における「学校施設の質的改善・向上に関するワーキンググループ」におけるアイデア提供にも活かされた。また、文部科学省が行っている「CO-SHA ソウゾウ プロジェクト」にて、「自由で主体的な学びを創発する学習空間とは?」というテーマのもと、日本全国の自治体、教育委員会、現場教師等へのアイデア提供にも活用された。 図面情報等は、「第4版 コンパクト建築設計資料集成」の「教育」の章にて一部掲載されている。
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