研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ハウジングファーストの視点にもとづき、高齢者、障害者、社会的養護が必要な子どもの福祉住居について横断的な事例分析を行った。その結果、安定した生活基盤とするために、福祉住居には個人や家族がくつろげるほどの広さと地域に直接アクセスできる独立性の高い環境が必要であること、福祉住居の周辺には社会参加を促進するために、交流を深めることと顔見知りの範囲を広げることの2つの機能を有する場所が重要であることが明らかとなった。
建築計画
本研究成果の学術的意義は、従来の福祉施設研究では捉えることが難しかった、ケアを受けながらも地域居住を継続する生活基盤としての福祉住居の環境的要件を明らかにしたことにある。また、福祉住居の周辺にある地域資源やそれを通じたコミュニティとの関係を整理できたことも大きな学術的成果と考える。社会的意義としては、ケアが必要であったり、様々な困難を抱えたりする人が地域と関わりながら暮らすための居住環境づくりに向けた基礎的知見を得られたことがあげられる。