研究実績の概要 |
スペイン・インディアス総合資料館のパナマ・セクション、ペルー・セクション所蔵の史料を中心に、工程①として「都市計画図カルテ作成」及び「都市計画技術」のデータベース化を進めた。法規範等のテクスト史料と都市計画図等のイメージ史料の両側から都市計画技術と見なされる事象を抽出し、諸情報を加えてカルテ化を進め、データベースの充実化を図った。都市計画技術においては、(1)道路・街区の配列など都市レイアウトに係る特性、(2)施設配置計画や主要広場・小広場の計画などに着目した都市施設配置計画、(3)地理的要因、方位など立地要件への対応、(4)都市と人口の関係、(5)土地利用や土地区分の特徴等に着目した。 さらに工程②として、カルテ化で抽出した内容に対し、具体的な「都市計画技術」の考察を行った。ヨーロッパ・ルネサンス期以降の建築や都市計画理論、既往研究の見解との比較も行いつつ、「多様性創出」「機能分散」「都市の拡張性」という視点から初期近代の「都市計画」の具体的な技術について検討した。 都市図の作者や技師が判明する場合は、技師の経歴等を調査し、計画技術に関する知見をどのように培ったか、教育をどこで受けたかについても調査した。これについては、一部を下記にとりまとめて発表した。 Akihiro Kashima, “City Planning and Architectural Education in the Establishment of the Academies in 18th-Century Spain”, The Journal of Asian Conference of Design History and Theory No.2, Design Education beyond Boundaries, Tokyo, 2017, pp.41-52.
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