近世ヨーロッパにおいて、スペイン王室が示した植民都市の計画手法には、共通した都市空間構造、いわば都市計画の標準形を示そうとする視点が読み取れる。一方、道路や広場の計画においてカテゴリーを設けることで、都市空間に多様な役割や機能を付与するはたらきがあったことが法規範や実践事例から見えてきた。また広場については分散的に配置することで、結果として機能や役割の異なる拠点を都市内に点在させる効果が都市計画規範や都市建設の事例から窺える。さらに、城壁の建設を前提とせず、都市の成長を見越した計画の視点があることも窺え、近代都市計画以前の都市計画の視点として、より具体的で新しい知見が得られた。
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