研究課題/領域番号 |
19K04787
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮脇 勝 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30280845)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | レジリエンス / ランドスケープ / オブザーベートリー / 広域景観 / 国土景観観察センター / プロジェクションマッピング / ドイツ / イタリア |
研究実績の概要 |
本年度は、国土景観観察に関わる研究論文の発表と、広く景観情報の収集成果を解説するシンポジウムを通じて、研究を展開した。 まず、東海地方の景観情報をマッピングする方法に関する査読付き研究論文として、「GISを用いた伊勢湾岸地域における古代条里制の歴史的土地利用景観キャラクタライゼーション - 条里制の分布に基づく歴史的土地利用景観のアセスメント -」の作成と発表を行った。この論文は、中日新聞の記事で、「景観と農政組み合わせを」として掲載され、一般市民に公表された。 また、名古屋市の市民緑地の環境に関する査読付き研究論文として、「名古屋市都心部における産業遺産の保存を含む緑地整備と管理に関する研究 - 市民緑地認定制度を活用した民間企業によるノリタケの森の整備プロセスと緑地の管理作業量の計測 -」の作成と発表を行った。 さらに、海外の景観保護に関する査読付き研究論文として、「イタリア共和国憲法第9 条の「風景保護」に関する制定時の議論 - 風景の保護とコミュニティ権、国家と州政府の役割 - 」の作成と発表を行った。 これらにより、国内外の国土景観を観察し、分析した結果を発信するとともに、イタリアの景観保護の基礎となった憲法条文の策定経緯を明らかにした。その他に、都市計画学会誌に論文「風景とは何か」を掲載し、シンポジウムに「景観とは何か」、「洋上風力発電施設と景観」、「洋上風力おける景観問題の合意形成について」、「脱炭素社会におけるスマートシティの一般化」を通じて、景観の重要性に関する教育活動を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東海地方の調査は順調に進めることができ、国内外の論文発表や論文の作成などが進められたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、脱炭素化に向けた社会の動きとして、再生可能エネルギーの導入、スマートシティを通じたデジタル化が都市や地域の課題となっており、同時に景観問題を生じていることから、エネルギー問題を考慮した国土景観観察の方法と分析について、調査を推進する。 また、次年度は最終年度となるため、これまで収集した資料の整理、論文の発表を通じて、結論付けていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外渡航の制限により、海外渡航費等が使用できなかったため。
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