本研究計画では、インクルーシブ教育に取り組む小学校の情報伝達環境としての教室回りの空間計画・壁面計画に資する知見を得ることを目的に、大きく3項目の課題について検討する。①先進事例への電子黒板導入による教室回りの空間・壁面の情報伝達利用の変化を捉える(課題1)。②ICT導入先進事例における教室回りの空間・壁面の情報伝達利用の実態を把握する(課題2)。③海外先進事例における教室回りの空間・壁面の情報伝達利用の実態を把握する(課題3)。2021年度は、課題1・課題2の検討を進めた。 課題1:先進的インタラクション機能を有する特殊プロジェクター(科研費で購入、学外へ持ち出し)を導入したA小の教員に対し、ヒアリングを行った。授業の一環として児童らが組んだプログラムを用い本機を動作させたや、クラス全体はもちろん個別指導でも本機を活用しているなど、事情を伺うことができた。一方で、本機を活用した授業の様子を直接観察するには至らなかった。コロナ禍による影響から入構不可が続いた。本課題は2022年度以降も、情勢回復次第、継続して検討をすすめる。 課題2:2019年度に行った複数校の訪問調査記録をもとに、詳しいデータ分析をすすめた。2022年度内に日本建築学会計画系論文集(査読付き)もしくは日本インテリア学会論文報告集(査読付き)として投稿予定である。 課題3:北欧スウェーデンに渡り数校に訪問する予定だったが、コロナ禍による影響から実施をさらに見送った。情勢回復次第、改めて検討をすすめる予定である。
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