研究課題/領域番号 |
19K04803
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研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
北山 めぐみ 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 助教 (40734257)
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研究分担者 |
永原 順子 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 講師 (30455224)
増井 正哉 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40190350)
本塚 智貴 明石工業高等専門学校, 建築学科, 助教 (40751152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 絵金 / 芝居絵 / 神社祭礼 / 夏祭り / 絵馬台 / 町家 / 絵馬台 |
研究実績の概要 |
絵金の芝居絵屏風が飾られる祭礼に関して、初年度となる今年度は、資料調査を行うとともに、今年度の祭礼で芝居絵が飾られた8箇所を対象として現地調査を行った。資料調査については、絵金に関する文献及び祭礼が行われる神社が位置する市町村の郷土・地方誌を対象として収集・分析した。現地調査では、あらかじめ神社境内の実測を行い平時の空間配置を図面化した上で、祭礼当日に、祭礼時のみに見られるしつらいや、行事等の空間利用を図面に表記した。合わせて、氏子の方々から芝居絵の管理や祭礼の運用状況について聞き取りを行った。芝居絵の展示場所には、拝殿、境内の広場、参道、氏子地区といった、社殿からの空間的な距離に違いが見られること、祭礼時の人々の行動と芝居絵展示との関係にはいくつかのバリエーションが明らかとなった。こうした空間利用と展示形態の違いには、各祭礼における芝居絵の役割や意味合いの違いが示唆された。 また、現在では唯一、町家の軒先に芝居絵を飾る形態をとる香南市赤岡町については、飾られる家屋や飾り方、補助的な祭礼装置などについて分析を行った。芝居絵は、「区」単位で所有をしており、芝居絵は収蔵施設に保管されているが、それ以外の提灯や設置台などの補助具は区でまとめて保管し、祭礼準備なども区単位で行われる。そのため、展示方法には区ごとに違いが見られ、芝居絵の保護や手間を考慮しながらも、以前からの展示形態を引き継ごうとする地域住民の意図を読み取ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた調査内容を概ね調査し、その成果を整理した。また、図面を作成するなど詳細調査ができた点は成果を上積みできた。ただし、祭礼という特性上、天候の関係で展示が行われなかった地区があるため、次年度以降に展示されることを期待する。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、ケーススタディ地区を選定しての詳細調査及び聞き取り調査を予定していたが、コロナウィルス感染拡大の影響により、すでに芝居絵の展示を取りやめることが決まっている地区があること、聞き取り対象者が高齢であることなどから聞き取り調査が困難な状況にある。そのため、祭礼調査については現状確認に留めること、ヒアリング調査は安全性が十分に確認された時期から実施するなどの対応策を取る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた現地調査は行ったが、若干の残額が発生した。次年度は、社会情勢を十分に考慮した上で予定している調査を行う予定である。
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