研究課題/領域番号 |
19K04804
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
光井 渉 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (40291819)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 歴史的建造物 / 日本建築 / 架構 / 民家 |
研究実績の概要 |
本研究は、歴史的建造物の架構方法に着目してその空間構造を読み解こうとするものであり、2023年度は開始から5年度目に相当している。当初、寺社建築、特に本堂などの大型建築の架構検証から開始したが、2020年度からは、架構形式が豊富であるため、空間構成との関連性の時代的な実像がいまだ明らかになっていない17世紀の民家(農家)建築に研究対象をシフトした。こうした研究対象のシフトと同時に、コロナ禍によって実地調査が困難となったため、当初の期間を延長して研究を実施している。2022年度までに、17世紀民家の残存状況が良好な北関東(茨城・群馬)及び関西(大阪・奈良)の調査を行い、立体的な特徴を表す架構図の作成を行ってきたが、2023年度は8月中に山陰地方の民家5件(石谷家・矢部家・福田家・河本家・門脇家)と奈良県内の民家4件(菊家家・笹岡家・堀家・吉村家)の調査を行い、架構形式の変遷過程をよく表す3件について架構図を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、屋外に現存する歴史的建造物を対象とするもので、特に重視する民家建築は公共有のもの以外に、居住に用いられている私有物件が多数を占めている。そのため、個別に許可をとった上で調査を行う必要があるが、2020年以降の新型コロナウィルス蔓延期には、こうした所有者からの許可をとりつけること、あるいは遠方での調査自体が極めて困難となり、2020及び2021年度には十分な調査が実施できなかった。これが研究計画の遅れの最大の要因である。
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今後の研究の推進方策 |
本来は寺社建築と民家の両方を対象として2023年度で終了する研究計画であったが、2020年度後半から17世紀の民家に研究を限定する方向へとシフトして研究を進めてきた。この状況下でも、主にコロナ禍によって調査に遅れが生じてきたが、研究期間を1年延長することとして2024年に京都及び瀬戸内沿岸の民家建築の調査を行うことで、一定の成果を得られるものと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、歴史的建造物の実地調査を基にして、その架構方法と空間構成を明らかにしようとするものであり、建造物の所有者等からの許可を得た調査が必須である。しかしながら2020年以降のコロナ禍の中で、こうした所有者等からの許諾を得ることが極めて困難となり、事実上1年間研究計画が中座した。これが次年度使用額発生の事由である。今年度は、予定していた調査計画のうち、京都及び瀬戸内地域の調査を実施する予定である。
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