中世の武家住宅における御成の機能配置を検討して、室町時代中期に会所で行われていた式三献、遊宴、演能、後遊、引出物が、室町時代末期に主殿の機能となり、安土桃山時代には広間の機能、江戸時代には数寄屋と広間に分担されたことを明らかにした。 また、足利義政が康正元年(1455)に改装した烏丸殿で、初めて会所の背後に常御所が雁行形に配置されることも明らかにした。 ついで戦護国時代の大名邸宅を遺構から確認し、室町時代の将軍邸で15世紀中期に発生した会所と常御所の機能と配置が、織豊期に主殿と常御所、広間と書院の機能と配置に変化することを明らかにした。
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