韓国民家研究において近代期民家の研究はまだ十分ではない。本研究では在来民家が比較的多く残っている麗水地域を対象に、建立時期別建築技術変化の様相を明らかにした。具体的には、架構の構成と寸法が時期別にどう変化してきたかを考察した。そして分析結果、1910年以前から1960年代までの時期の区分は、架構の構成と寸法の変遷から4時期ではなく3時期に区分できた。本研究は時期区分をせず通称民家としてきた民家群に対して、架構技術の変化によって時期を細分したことに意味がある。そして近代期建築技術の日韓比較から在来民家の柱のスリム化(12㎝)が日本の木材規格化の影響であることが確認できた。
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